ハットリング工法の概要

ハットリング工法は、標準深さ1.0mの位置にドーナツ状のブロック(浮上抑制ブロック)を設置し、ブロックの自重とブロック上面の埋め戻し土(砕石)の重量を利用して、マンホールの浮き上がりを抑制する工法です。 マンホール本体に影響を与えることなく簡単かつ低コストで施工が行えます。

ハットリング工法
マンホールの浮き上がりの原因 (下水道地震対策技術検討委員会)

新潟県中越地震ではマンホールが浮き上がる原因として大きく3つ挙げられています。

  1. 最大加速度1700galの大きな地震動で震度5弱の余震が繰り返されました。
  2. 地震直前の降水量は450mmと多く、地下水位の上昇が認められました。
  3. 粘性土による浸透性の悪い原地盤に砂等で埋め戻しを行い、その埋め戻し土が液状化しました。

ハットリング工法の特徴

  • 既設・新設どちらでも設置可能です。
    浮き上がりによる影響の大きい市街地の既設マンホールはもちろんのこと、新設マンホールにも設置可能です。 (組立式マンホールで0号から3号までと、現場打ちマンホール(JIS型)に適用)
  • マンホールに影響を与えません。
    マンホールに穴をあけたり、内空断面を阻害することはありません。
    浮き上がりそうになった時にだけ抑制する構造になっているので、常時には負荷はかかりません。
  • 地震動による慣性力の影響はありません。
    マンホール本体と浮上抑制ブロックとの間に隙間を与えているので、地震時には別々の挙動を示し、慣性力の増大には繋がりません。
  • 簡単施工、しかも低コスト。
    施工は組立式マンホール1号の場合、2m×2m深さ1mの掘削で、地下埋設物の試験掘り程度の規模で行えますので、特殊な施工技術は不要です。

施工例


掘削

固定バンド取付

浮上抑制ブロック据付

据付完了
ハットリング工法 カタログ(11MB)
※ご覧いただくためにはAdobe Readerが必要です。Adobe Readerのダウンロード

ハットリング工法材料

既設・新設問わず組立式マンホールで0号から3号までと、現場打ちマンホール(JIS型)に適用します。
それぞれの浮き上り計算(想定地下水位GL-1.0m、アスファルト舗装厚5cm)を行った結果、適用する人孔高さは次のとおりです。

種別 取扱部材 適用最大人孔深
0号 標準ブロック 6m
1号 標準ブロック 6m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.0m) 12m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.5m) 16m
2号 1号+2号 標準ブロック 4m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.0m) 9m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.5m) 11m
2号 標準ブロック 3m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.0m) 8m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.5m) 10m
3号 1号+3号 標準ブロック 3m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.0m) 6m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.5m) 8m
3号 標準ブロック 3m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.0m) 7m
標準ブロック+補助ブロック(L=1.5m) 9m

※製品の仕様・外観等は変更する場合があります。


標準ブロック

補助ブロック

標準ブロック+補助ブロック

耐震性管布設工法材料 プラス工法

大口径管 BOXカルバート